表札と風水|“調和”する表札をおしゃれにオーダーするヒント

風水、なんとなく気になるけれど「実際どうすればいいの?」と迷っていませんか?
「せっかくなら縁起のいい家にしたい」と考える方も多いですよね。
でも、玄関に風水を取り入れようと思っても、流派によっておすすめアイテムや考え方が違ってわからなくなってしまったり・・・。
結論をいうと、風水を考えるときにいちばん大切なのは【心地よく暮らすこと】なんです。
今回のコラムでは基本に戻って、風水を学術的な観点から考えつつ、「開運表札」のご紹介や、無理のない取り入れ方について解説していきます。

「環境学」としての風水
意外に感じる人もいるかもしれませんが、風水は「環境学」とも言われています。
ときどき「迷信っぽい」と思わることもありますが、本来は環境の中でよりよく生活するための、古くから伝わる実践的な知恵なんです。
風水は「五行」「陰陽」などの「気」の力を利用して環境を整えるための知識体系で、約4000年前に中国で発祥しました。
風水の本質は暮らしの【心地よさ】
心地よさを重視する風水で重要なのは「調和」です。
文化人類学者の渡邊欣雄氏は、日本における風水は「自然環境に対する判断対象」であり、単なる占いではなく、環境と調和するための実践的知識だとしています。
たとえば:
・日当たりのいい場所に玄関を作る
・風通しをよくする
・家の中の気の流れや人の動線をスムーズにする
・掃除をして清潔に保つ
こういうことって、実際に暮らしていて「心地よい」と感じることばかりですよね。
風水は「◯◯はダメ」「△△が良い」というような具体的なルールばかりが先行しがちですが、基本はもっとシンプルで「心の安定」と深く関わっているんです。
自然のエネルギー(気)を活かして快適で調和のとれた環境に整えることで、運気を上げることにつながります。

「調和」させるには?風水を活かす表札選びのポイント
表札選びに風水を取り入れるなら、下記の基準を押さえて考えていきましょう。
・家や外構とのデザインの統一感を意識する
・見るたびに嬉しくなるような表札を選ぶ
・家族と意見を合わせる
・管理しやすそう(耐久性がある、掃除しやすいなど)な素材を選ぶ

一般的に言われている「風水的に良い表札」の選び方(諸説あり)
とはいえ、風水にはさまざまな「コレが良い」があるのも事実です。
流派によって異なりますが、参考に、よく言われる”風水的にいい表札の選び方”をご紹介していきます。
・縁起のよい色
金色やナチュラルな色合いは、運気を高めると言われています。
ゴールドカラーの表札
明るい色・ナチュラルな色の表札
・縁起のよい素材、ワンポイント
天然素材のものは自然のエネルギーを取り入れやすいとされています。
木製の表札
自然にまつわるモチーフを取り入れるのもよいと言われています。

・縁起がいい形状
表札は長方形だと、良い気を呼び込むと言われています。

金属やレザーのような質感が玄関を彩る、シックでおしゃれなタイル表札。ブラウン、ダークブラウンの二色よりお選びいただけます。【hsm-12】
・読みやすい書体
はっきりとした楷書体などは、表札に望ましい字体とされています。

表札AKIグラスショップの取扱い書体一覧はこちら
・縁起がいい取付け位置
家を外から見て右側、視線よりも少し高い位置に設置するといいと言われます。
ただしこれらには諸説あり、あくまでも“よく言われていること”です。
安心できるなら取り入れるのも、もちろん吉。自分の家には合わないなら、無理に取り入れる必要はありません。

やってはいけない?風水表札の“NG説”、実際どうなの?
たとえば、こんな“よくあるNG説”も聞きますよね。
・ガラスやタイルなどの割れやすい素材は縁起が悪い
・彫刻文字は墓石を連想するので避けたほうがいい
これらは風水の本質というよりは、昔からの見た目やイメージ、慣習からくる通説に近いです。
ガラスでいえば、現代のガラスは昔よりもかなり丈夫ですし(もちろん落としたりすると割れますが…)、汚れにくくお手入れも簡単です。
「いつもキレイにしておくこと」が大切な風水において、これは重要なポイント。
ガラスは耐候性が高くサビなどの心配もないので、表札の素材としてはかなり優秀なんです。
さらに、光を透過する清潔感のあるきらめきは、ガラス表札の大きな魅力です。
風水のアドバイスの中には、今の時代や素材技術にはそぐわない、昔のままの価値観がそのまま残っていることがあります。
つまり「なんとなく引っかかる」と感じるなら避けてもOK。
でも、そうでないなら気にしなくても問題ありません。

風水の表札選びは、無理なく取り入れるスタンスで◎
「表札は読みやすくあるべき」という説もありますが、防犯上不安を感じる人が視認性の高い表札をオーダーして、心配しながら生活するのは本末転倒です。
安心できないなら、どんなに“縁起が良い”と言われていても逆効果。
そういう場合は無理に合わせないで「あえて表札を控えめにする」選択をしてもOKです。安心できる選択が、暮らしの中の調和につながります。
「明るい色が吉」と言われても、お住まいのデザインと合わなければ意味がないですし、自然素材の木製の表札も、設置場所に屋根があればいいのですが、雨ざらしの場合はおすすめできません。
↓こちらのコラムで、素材の個性や適材適所の考え方について解説しています。

[風水と表札]選び方を迷っている人へ
・風水は、環境との調和を図るための実践的な知恵
・家や暮らしとの相性、家族が安心できるかが大事
・家、外構デザインとの統一感を重視
・表札や玄関はいつもキレイにして、いい気を取り込む
・自分の暮らしに合う風水を無理なく取り入れる
・心地よさ、清潔さ、安心感を大切に、気分よく暮らせる選択を
選び方に迷ったときは、「これが私の家にぴったり!」という直感を信じてみてください。
その選択が、ご自身にとっての最高の風水かもしれません。
毎日を心地よく暮らすことがきっと、なによりも良い運気を呼び込んでくれると思います。

参考:
– 渡邊欣雄「日本風水史―科学と占術の歴史」
ICCS現代中国学ジャーナル 愛知大学国際中国学研究センター
https://aichiu.repo.nii.ac.jp/records/8540
– 汪蕾「風水に基づく立地の空間統計学的解釈」
東京国際大学大学院紀要
(PDF)https://www.tiu.ac.jp/about/research_promotion/kiyou/pdf/2_humanities_4.pdf